【エッセイ】寿司が恋しくて、シャリに沈んで:私の料理人生スベリ出し

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いったんCMです

寿司が恋しくて、シャリに沈んで:私の料理人生スベリ出し

「料理、いつから始めたんですか?」

そんなふうに聞かれると、ちょっとかっこよく「食と向き合いたくて…」とか「身体の声に耳を傾けて…」とか言ってみたい気持ちはあります。ありますけど。

でもほんとのところはひとつだけ。

寿司が食べたかった。

🤧外食できなくなった世界と、寿司を諦めきれない女

2020年、あの「世界が止まった春」。
外に出られず、飲みにも行けず、そして寿司にも行けない。

毎週のように回転寿司でエビアボカドと炙りサーモンを繰り返していた私の生活は、突然シャリ不足に陥りました。

「これが…寿司禁断症状……?」

冷蔵庫のツナ缶と、冷凍庫に眠る海苔の切れ端を駆使し、人生初の「なんちゃって海鮮丼」に挑んだのです。

それがまあ、美味しくて。泣くほどじゃないけど、泣きたくなる程度には美味しくて。
その日から、寿司を求める亡者としての道を歩み始めました。

🍣海鮮丼→てまり寿司→棒寿司と進化する家庭内回転寿司

最初はごはんの上に魚(らしき何か)を乗せただけ。
でも「もっと可愛くしたい」「もっと寿司っぽくしたい」気持ちが出てくると、人は変わる。

  • 海鮮丼 → 見た目が雑だな
  • てまり寿司 → 丸いと可愛くて映える!
  • 棒寿司 → 切ると綺麗。ビールがうまい

この頃の私は「酢飯を握ること」に人間としての充実を感じていました。

🍚ごはんが、好きすぎて、比率が狂う問題

私、ごはんが好きすぎるんです。

寿司って、ごはんが主役だよね?とでも言わんばかりに、毎回米が多すぎる

てまり寿司でさえ「米:ネタ=8:2」、見た目は可愛いのに重量は拳一個分。

料理ノートには「次はもっと…自重します」の文字。
でも「このシャリ、美味しかったしな…」と自分を許してしまう愛おしさ。

🎤Oくんと、おばんざいおばあちゃんの夢

料理にハマったもうひとつの理由、それはある男性アイドル・Oくんの存在。

料理好きで、「この前アジの南蛮漬け作りました」とか言っちゃう。
「どこの家庭にそんな20代男子が…!」と叫びながら、私は脳内で作ってあげる側に転職していました。

目標はこうです:

数十年後、趣味でおばんざいを作り続ける街の名物おばあちゃんとしてテレビで紹介され、
『実はこのおばあちゃん、Oくんの長年のファンなんです』と紹介され、
Oくんがサプライズで訪ねてくる──。

何度も妄想してる時点でサプライズではないことに気づいてます。でもやめられません。

🍇フルーツ丼は実現するか、否か

私のもうひとつの偏愛、それはフルーツ

ある日思いついた夢のコラボ──フルーツ丼。
「酢飯×季節の果物×ミント」でどうにかいけないかと考えたのですが、言うと目が泳ぐ人が多い。

でも私は信じています。2028年あたりのトレンドになります。ぴより丼(仮)。

🍍パフェ屋さんが平日営業になって、私はパフェを作り始めた

大好きなフルーツパフェのお店が平日営業のみに。

働いてたら行けないじゃん。

仕事を辞めるかパフェを辞めるか。

どちらもできない私は静かにパフェを自作し始めました。
グラノーラ、ヨーグルト、りんご、桃…努力と崩壊と成功と反省。

味はおいしい。見た目は努力賞。達成感はプライスレス。

🍱品数?余りますけど、何か?

「こんなに作って、余らないの?」と聞かれますが、余ります。ふつうに。

平日の私のごはんは、前日の名残でできています。
冷凍庫には「たぶん春のひじき煮」が眠っています。それでいいのです。

🍳おわりに:お寿司から始まった、ちょっと笑えるキッチンの物語

私はプロでもインスタ映え職人でもありません。

ただ、寿司が食べたくて海鮮丼を作り、
Oくんに会いたくておばんざいを作り、
パフェ屋に行けなくなって自作パフェを始める──

そんな理由で、今日もキッチンに立っています。

もし今日、ちょっとだけ「ごはん作ってみようかな」と思えたら、
そのとき私は、米:ネタ=9:1の寿司を食べながら拍手しています。


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